神保町の美容院Berry(ベリー)の歴史

第3章 Berryオープン

第3章 Berryオープン

30代、40代、、、、自分は果たしてこのまま青山・表参道の地でやって行きたいのか?

生涯現役でやれる事など困難であろう実家の事業を約束だからと継ぐのが正しい選択なのか?

そう自問自答していくうちに
最初は「金成」という名前が全く何のメリットも無い状況で生きていける青山・表参道という場所が非常に居心地が良かったのですが、

だんだんそんな事だけに喜んで、
約束の10年間も過ぎ何一つキチンと答えも出さないまま、
ぬくぬく従業員で働いている自分自身の方が10年前の思いとは正反対の、今の自分こそ「ちっぽけな」人間に感じられました。

「そうだ。独立しよう。あの地で。」

そう決断するのにはそれ程時間は掛かりませんでした。

祖父、祖母が根付かせてくれたこの場所。
この場所で職業は違うけれど「3代目」として生きていこう、
と。

やるに当たっての1番の課題である金融機関への融資のお願いも、
「この場所で2代に亘って商売をなさっている信用が御座いますから。」
と満額を快諾して下さり、その他の諸々の準備もお陰様で何の障害も無く、
まるで、ご先祖様達が先回りして準備してくれているかのように、
スムーズに開店まで辿り着く事が出来ました。

オープン前日のレセプションパーティー。
普通は送ったDMの3割も来ないそうです。
そう言われ慌てて150名程に招待状を増やしたのですが、、、

ほぼ全員の方がお見えになって下さり、
小さいお店にすし詰め状態!

申し訳ないとは思いながらも、素晴らしい門出となりました。

これからは1人です。

ですが、自分1人ではない。こんなにも多くの人々に助けて頂いている。

この経験は自分が行動を起こした事で、
皆様の気持ち、応援を実感したのですから勤めていたお店から出ていなければ一生判らなかった事だったと思います。

(2006年2月17日オープン前日)